La Fin
作詞:DADA 作曲:KALM

〜不細工なイジケ虫でも 弱虫の女の子 でも今は・・・ 街じゅうが振り返るVenusの出来上がり〜

Street of Aliceトラック8 お気に入り度:★★★★★

2ndアルバム"Street of Alice"のトリを飾る作品。
タイトルからして、DADA、KALMの破局を示してそうです。
解散を意識して作られた作品かもしれないです。

作品の出来は、VELVET EDENのなかで最高クラスです。
特に歌詞はものすごく好きです。
他の作品に見られる、DADAの異常さ溢れる感性は、
La Finでは余り見られないが、
しかし、何と言うか、これはこれでDADAしか創れなさそうな
仕上がりになっています。

著作権的にあまり良い事じゃないですけど、
この作品の歌詞は特に気に入っているので、
全部載せてしまいましょう!

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目隠しの少女は無邪気に微笑む
この鏡手放した後の眼差しに気付けずにいる
ねえ 貴方にベッドのマナーや男たちの
値段の付け方なんかをいろいろとあれこれと教えこんだわ・・・

よくお聞き もうそんなお洋服は似合わない
大人の翼を拡げ飛べるはず
此処で見届けるから何処へでも消えておしまいなさい!
さあ・・・

不細工なイジケ虫でも
弱虫の女の子
でも今は・・・
街じゅうが振り返るVenusの出来上がり
あなたとは此処でお別れよ
次の娘が待ってるの
人でなし此の色情マダムと泣きながら
いつか来たこの道を走りだす
これでいいのよ きっと
目の前が滲んでく滲んでく
お願いよ
振り向かないで
LA FIN
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大抵、作品中のお気に入りというと、
2、3箇所に絞れるものですけど、
La Finの場合は正直何処に絞ってよいか分らない位、
全てが気に入っています。

"花売り娘"の後編を思わせるような展開で、
マダムに攫われた少女が、再びもとの世界に戻される
というようなシチュエーションを思わせます。

もしくは、"Street of Alice"のラストであるから、
夢の世界のアリスが現実の世界に帰るシーンというところでしょうか。
その場合は、歌詞で語りかけている1人称は、さしずめハートの女王でしょう。

私としては、花売り娘で出てくるマダムと思いたいところです。
この作品の魅力は、淫靡で背徳な黒い世界と、全うな世界の感覚が、
どっちつかずに入っているところです。

攫われた少女は、マダムのせいで
もう散々汚れきっちゃってるんだと思うんですけど、
恐らく、それでも染まり切らない、純粋さが残ったのではないでしょうか。
それが、逆に、異形姫を起点に登場し続ける、
この世に恨みを持つ、夜の女王とも言える"マダム"に
人間らしい感情を芽生えさせたのかもしれないです。

「次の娘が待っているの」とは言っていますが、
恐らく、もう次の娘はいないと思います。
マダムが例の「人形師」に創られた「異形姫」なら、
ここで初めて人間になれたのかもしれないし、
もしかしたら、真に邪悪な存在のものだったので、
良心が芽生えてしまった今、もう消えてなくなるしかないのかもしれない・・。

どっちにしても、延々と繰り返されるはずだった、
終わりのない暗黒の物語は
ここでとうとう終焉を迎えたという事だけは間違いありません。

私の解釈は大体こんなとこです。
それにしても、何処もかしこも萌えるフレーズばかりで、
ほんとに気に入ってしまいました。。
「もうそんなお洋服は似合わない」とか、
「大人の翼を拡げ、とべるはず」とか、
「何処へでも消えておしまいなさい」とかですね。
こんな調子で挙げていくと、
結局全ての行になってしまいます。。

ビデオアルバムの動画は大した事ないんですけどねぇ。

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